久遠の花〜 the story of blood~【恋】
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見えたのは――桜色をした空。
ふわふわと浮かびながら、私はどこかへ進んでいた。しばらくすると、たくさんの花が咲き乱れる場所に出た。私はそこで下り、花畑を歩いて行く。
――遠くに、誰かが立っているのが見えた。
輝く紅色をした、長い髪の女性。それは以前に見た、あの女性だった。
すると女性は、こちらを振り返る。
「貴方に――会いたかったわ」
優しい眼差しを向ける女性。どうやらこの人も、お姉さんのように、私の姿が見えているらしい。
「! まさか……覚醒しているなんて」
女性は、私の目の前にやって来る。
手を伸ばしたかと思うと、その手は私の頬にそっと触れ、なんとも悲しそうな表情をしていた。
「貴方は……誰、なんですか?」
「私は――赤の命華よ」
そう言って、女性は私を抱きしめた。
なんだか……不思議な感覚。
抱かれるのが心地いいのか。とても……温かい気持ちになっていく。