妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~


そう思っている私と、どこかで可哀想な自分を演じているような私がいた。


私は不幸なんだと…
悲劇のヒロインなのだと


そんなことないと否定するが私だけが今、苦しんでて私だけが死を望んでいるんじゃないか…。



そう考えていると頭に手を乗せられ顔を上げた



「暗い顔すんな。また変な妖に取りつかれんぞ」


すると魄弥は灰色の目を細めてくしゃくしゃと私の髪の毛をボサボサにしていた。


「ちょっ!!やめてよ!」



慌てて髪を手でとく私に魄弥は面白そうに笑うだけ。


「私、帰るから!」


「…またな。」


魄弥に背を向け恥ずかしさで赤くなる頬を気にしながらも家へと続く道を歩いた。






「―…魄弥」


彩花を見送っていた俺の 袖を遠慮がちに引っ張り 声をかけるのは瑰竜。


「彩花は本当に大丈夫なのか?…死んだりしないよな?また会えるよな?」





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