妖怪のアイツと人間の私 ~夏空に想いを~
「………。」
『本当やだ。っ…死にたい…ッ』
さっき言った彩花の心の声が俺の頭から離れない
彩花を襲った妖の正体はまだ分からない。
これからも彩花を狙いに来るかもしれない…
また、両親に成りすまして―――
「なあ…黙っとらんで答えてくれよ…」
泣きそうになる瑰竜。
瑰竜は特に誰かの死を敏感な所がある…
それは今までの生い立ちからくるものだろうが。
だけど俺はただその小さな頭を撫でてやることしかできなくて…
確実な、安心する言葉は言えなかった。