さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―



思い出したのは、あの裏山へ行く道に落ちていた死体。




原型がヒトなのかも分からないほどぐちゃぐちゃに斬り刻まれていたそれを。





「沖田さん、もしかしてあの日…。」





「そうだね。きっとあれもその一つだろう。」





やっぱり。




あんな残酷なやり方、ただの辻斬りがやるようなことじゃない。





「それについて、新政府軍は関係ないぞ。」




突如落ちた古高の言葉に、え?と、耳を疑う。




辻斬りは尊王攘夷派…つまり、新政府軍が幕府への不満を晴らす為に行う行為。




それなのに、関係ないと?






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