さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―


やっぱり、現代人の私としては、誠を追い続けるよりも自分の身体を大切にして欲しい。







原田さんは巡察の帰りだったからか、 浅葱色───あさぎいろの羽織を身につけている。




現代でもよく見たあの格好。




改めて見ると、なかなか格好良いかも。




みんな様になっているし、新選組の象徴ともいえるあの羽織は何ともいえない威圧感がある。





原田さんを上から下までじいっと眺める。




・・・ん?




浅葱色の羽織の肩辺りの部分が赤黒く染まっている。



例の樺色に。




「原田さん、怪我を!?」




「ああ、こんくらい掠り傷だよ。」





原田さんはケロッとしているけれど、放置しておくわけにはいかない。




「ちょっとここに座ってください!」





「うおっ!?」



無理やり縁側に座らせる。
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