さよなら、いつか。②―幕末新選組伝―
「はぁぁ~・・・。」
嫌でもため息が出てしまう。
最近、空回りだよね。
曲がり角の壁に寄りかかりながらそんなことを考える。
沖田さんの為を思ってしたことも、沖田さんにとっては重荷になってる気がする。
「ただ私は、力になりたいだけなのに・・・」
「そうなんだよなぁ。」
「ヒッ!?」
だ、だだだだだ誰!?
角を挟んで私の対象になにやら人影が見える。
「よっ!」
この妙にチャラくて背が高い彼は、紛れもなく・・・
「原田さん!巡察は終わったの?」
「ああ。京は大変なことになってた。長州の連中がウロウロしてやがる。」
「やっぱり治安は益々悪くなってるみたいだね。」
「そうだな。決して良いとは言えねえ。」
そっか、と呟く。
京の治安の悪化よりも、私にとってはみんなの安全が心配だった。
町に長州藩士がいるということは、新選組はそれをみんな殺さなければならない。
つまり、危険は増える。