青く澄んだ空∞
ー麻斗sideー
コンサートも終盤に近づいた頃、
汐音いわく、キシマイお馴染みの“ファンにプレゼント”というコーナーがあるらしい。
そこになると、より一層ファンの歓声が高まった。
…気にくわないけど、汐音のうちわに写っている、大河っていうヤツは相当人気だ…
 ソイツが近付いてきたとき、違和感を感じた。……他のファンは騒いでいるのに、汐音は、騒がない…。
普通、騒ぐもんじゃないのか?
不思議に思い聞いてみた。
「おい、アピらなくていいのか?」
すると、汐音は少し考えて
「だって、アピったら、しつこいって思わ れそうだもん。」
といった。
…くそっ
汐音に好かれているアイツを憎く思った。
「…チッ」
舌打ちをしてしまった。
汐音は、それに気づいてあたふたし始めた
…お前は、そうやって、俺のことばかり考えてろ。心から思った。
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