シンデレラの王子は。

どうしてかな、さっきまでは普通に話せてたのに、急に言葉が詰まって出てこなくなる。誤魔化そうと鼻を啜ってみたりするけど、鼓動がうるさくて架嗄に聞こえそうだよ。そんなこと思っていたら、途中までではなくて、図々しく家まで送ってもらってしまった。
「-----ありがと」
「-----ちょっと待って」
架嗄はくぅの頭上を見て、何かを発見し、それを取ってくれた。
「手ぇだして」
握りこぶしを突きつける。右の掌を握りこぶしの下に出した。
「はいよ」
握りこぶしを開くとそこから花弁が一枚だけ掌に落ちた。
「春の匂い~♪」
架嗄がまたからかってくる。
「うるさいなー!」
逃げるようにチャリに乗りながら一回だけ振り向くと、いってしまった。
その日から、この花弁が大切な宝物。1.5㎝くらいの小さな花弁一枚で、こんなに幸せになれるなんて思ってもなかった。
取り敢えず、乾かしてからラミネートして保存。枯れてもらったら困るからね。大事にいつも財布に入れて携帯してた。

とうとう、京都・奈良に着いてしまった。
1日目は京都で全体行動、2日目は班行動、3日目は奈良で全体行動、4日は班行動となっていた。

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