ブログ女 ーAyu Official Blogー


ア ケ ロ



そう聞こえた気がして



あたしは恐る恐るゆっくり扉を開ける。



『……。』



部屋の中は真っ暗。



室内には机がいくつか並んでいて..



後は電気をつけないとよく見えない。



そんな中


机の上でゆっくり点滅する赤い光に
あたしは一瞬言葉を失った。



『……。』



どうしてあたしが言葉を失ったかって?



『あ、あ…』



その光が


あたしの携帯だと
直ぐ解ったからで



『はぁ…はぁ…』



あたしは


無我夢中で扉を閉めて
扉の前に座り込む。



薄暗い廊下の床にぬるっとした感覚



『え…』



廊下ってこんな暗かったっけ?
そもそも今床がぬるってしなかった?



不思議に思ったあたしはゆっくり視線を床へ移す



あたしが見たのは…
四つんばいになった真っ赤な服の女の姿



『き…』



ぬるっとした感触はその女のよだれで..



あたしを見てニヤニヤ笑っている



悲鳴を上げたいけど声が全く出ず



気付いた時には
あたしはそのまま気を失っていた..

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