恋愛談義!
別に、と否定しても、井上礼央はどこか不満げだった。
「あーあ。なんでこんなカッコ悪いんだ、俺……」
なんて、本気で凹んで、ため息をついている。
私の半歩前をとぼとぼ歩いて、だけど時折、私を振り返っては、切なげに眼を細める。
その視線を受けて、ほんの少し、背筋がゾクゾクした。
「――私もそうよ、井上君」
「は?」
「あんたといると、調子が狂うの。もっと冷静になれるはずなのに、いろんなことが思い通りにならなくて……。
好きって言われてからなおさら、私、あんたと付き合ったらどうなるんだろうとか、結婚したらどうなるんだろうとか、そんなことばかり妄想してるの」