恋愛談義!
「――あの、課長。この、出張なんですが。これは何かの間違いでは?」
出張に二人で行くなんて、新人のときの最初の数回だけだ。
思わずデスクでPCにかぶりついている課長に話しかけていた。
「いや、間違いじゃないよ。今まで青木さん一人で行ってもらってたけど、井上君も西日本に行ってみたいって言ってたし、一人より二人のほうが安心だろう?」
彼はエクセルとにらめっこしながら、私をちらりとも見ないままそう答える。
「いえ、でも……」
「井上君は今まで関東が主だったからなぁ。いずれ青木さんにも井上君についていってもらうことがあると思うから、お互い協力して、頑張ってね」
「――はい……」
あいつと協力?
しぶしぶうなずいて、自分のデスクに戻る。