恋愛談義!

一瞬、しまったと思ったのだけれど。


井上礼央は、その黒板を青果台にディスプレイしながら、


「ブロッコリーって小さいとき食えなくてさぁ。あのもじゃもじゃしたところが気持ち悪くて」


と笑うだけだった。



よかった、感心したのがバレなくて……。



胸を撫で下ろしつつ、


「どうして食べられるようになったの?」


場をもたせるためだけに問いかけると、


「――小学校の給食で、食べられるようになった」


と、どこか懐かしむような返事。




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