恋愛談義!

顔を上げると、井上礼央が憐憫に満ちた表情で私を見つめていた。



「なんでお前、いつもそんな感じなの?」

「は……?」

「お前はいつも嘘ばっかついてるし、打算で動く嫌な女だ」

「――そうよ……」



そしてそれが私の理想なんだもの。


恥じ入ることは何一つない。



「だけど……表面張力ギリギリまで水が入ったコップみたいだ」

「――」



井上礼央の手が、ふんわりと私の頬を挟み込む。





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