君は僕を好きになる。

昨日、平岡さんはすぐに帰ってしまった。


僕はそのまま教室に残って、平岡さんの言ったことをずっと考えていた。


僕が平岡さんを好きになる。

どこをどうしたらそんな断言できるのだろう。


仲が良いわけでもない。
むしろただの話したことのなかったクラスメイトだ。


確かに興味をもったりはするけど好きになるとか考えたことないし。



わからない。

平岡さんがどうしてあんなことを言ったのか。

もしかして、日直に僕を選んだのと関係でもあるのかな。


「体育なにやった?」

「体育?えっと、バスケ」

「ふっ、高城くん苦手そう」


うわぁ…痛いとこつかれたー…。

そうだよ、苦手だよ。
ドリブル上手くできないし、ボール追いかけるの怖いし。シュートなんて以ての外だよ。


むすっとすると、平岡さんは笑った。



思わず、心臓が跳ねる。


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