としサバ
 男子生徒が保をひやかし始めた。


 「嘘や。こいつは女のパンツが好きなんや」

 「オカマやかもしれんで。気持ちわりぃ」

 「違うわい。違うわい。間違っただけや」



 「姉のパンツ。姉のパンツ。姉パンツ。吉岡、お前は今日から姉パンツや。ええ名前やろ。ありがたく思え」



 「姉パンツ!」

 「姉パンツ!」

 「姉パンツ!」

 男子生徒4人が、手拍子をしながら、姉パンツの合唱を繰り広げ出した。

 そこへ、女子生徒3人が加わった。


 「どうしたん」
 「なに、なにがあったん」

 「こいつ、姉のパンツはいとんねん」
 「そやから、姉パンツ言うあだ名付けたってん」


 「最低!」


 「頭おかしいのとちゃう」

 「信じられへん」


 女子生徒たちは保を軽蔑した目で見詰めている。




< 12 / 285 >

この作品をシェア

pagetop