としサバ
 「はじめまして 腹切りマンです」
 「こちらも よろしく」


 「腹切りマンは自殺願望の人なの?」
 「ち、ち、違いますよ」


 「私なら自殺しても構わないことよ」
 「も、もしかして相棒を探しているの?」


 「素敵な人となら 心中してもOKよ」
 「ちょっと 聞いていいですか?」


 「何を知りたいの?」
 「なぜ そんなハンドルネームを?」



 「男をたぶらかすためよ」
 「男を化かすためには」
 「女は狐にならないとね」


 「・・・」



 この女は、頭がイカレテいるのだろうか。


 信彦はキナリトールを緑と白の容器からポンと取り出し、口の中に放り込んだ。

 ジャリジャリとガムが砕ける音がして、ライムミントの爽やかな刺激が口の中に広がった。




 





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