としサバ
 先日も信彦は、別のサイトのチャットルームに立ち寄った事があった。

 4、5人が会話をしていたが、顔文字や絵文字の氾濫。
 意味不明の言葉が機関銃のように飛び交っていた。

 まるで、宇宙人が話しているようだった。

 今回は、一応会話になっている。
 だが、話の内容はかなりクレイジー。


 会話を続けるべきか、退室すべきか、信彦は迷っていた。


 「どうかした?私の毒気に当てられたの」
 「そんな事はないよ」

 「女狐さんは幾つ位の人なの?」



 「25歳になったばかり」



 今野雫は、咄嗟に自分の歳を2倍位にして答えた。



 出来るだけ大人の女を演じていたが、見破られないか、雫は内心びくびくしていた。






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