としサバ
31話 胸キュン
 次の日の放課後、雫は保をいつもの海岸に呼び出した。


 保はハアハア言いながら、海岸に走って来た。


 「ご免ね、吉岡君。呼び出したりして」

 「いいよ。何か、用事」

 「うん、大切な用事よ。私、決心がついたよ。やっとね」

 「何を決心したの」




 「自殺よ」




 「ええっ!!!」


 保は驚きのあまり、顔面蒼白になっている。


 雫の目を真剣に見詰めると、保は大粒の涙を流し始めた。

 保の肩が大きく上下に揺れている。


 「いやだ・・・絶対にいやだ」


 保は泣きながら声を振り絞って言った。



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