としサバ
 自分の素性がわかればいろいろ聞かれる事になり、後で面倒な事になるのではと、保は咄嗟に思ったのだ。


 保は警察への電話が終わると、大急ぎで1階左奥にある職員室まで走って行った。


 入り口の手前までくると、保は中に向かって大声を上げた。


 「大変だ。4階で飛び下り自殺だ」



 「飛び下り自殺だ~」



 2回大声を張り上げると、保は体育用具室を目指して、全速力で駆け出した。


 先生方が蜂の巣を突付いたようになって、職員室から運動場へと走り出して行った。





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