としサバ
14話　家族会議
　土曜日、息子の勝彦と娘の沙穂が茨木の自宅に訪れた。


　「話って、何。家族で海外旅行でもしたいの？」


　沙穂が口を開いた。


　「そうじゃないのよ。お父さん、離婚をしたいみたいよ。それで、あなたたちの意見も聞いてみようと思ったの」


　「えっ、離婚、その年で。まいったな」

　「離婚か。考えても、いなかったわ。お父さん、女でも出来たの」

　勝彦と沙穂が好きな事を言っている。


　「そんな者、いる訳ないだろう」


　 信彦が強い語調で言った。

　「それじゃ、お母さんの何が不足なの」

　沙穂が信彦に質問をした。

　「不足は無い。お母さんは、実に良くやってくれているからね」

　「わからないな。女はいないし、不足も無い。なら、なぜ」


　勝彦が首を傾げている。



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