Secret Prince[短篇]



いやいやと顔を横に振る私を、無理やり押さえつけるかのように腕を掴む。




「…ゆぅ」

「梨華、なぁ、」




ぎゅっと掴まれる手。
真っ直ぐと私を見るその瞳。


何処かゆらゆら何かが揺れていたように見えた。





「…いらないなんて誰が言ったよ。」


「ひっく…だ、だって」






言ってないよ、
誰も。


でも、でも…



一度付いた傷はそう簡単には癒えないものなのかも知れない。裕二と出会って、愛を貰って、好きだって言ってもらって


もう大丈夫だと思った。



でも、人の心は脆い。





「…好きだって。誰よりも。離さないし、離すつもりなんてこれっぽっちもねぇから。…だから、泣くなって。」




そして涙で濡れた私を
裕二は優しく包んだ。





「うぅー…」

「悪かった。いらないなんて、んなこと言うな。」





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