Secret Prince[短篇]
止まることを知らない涙はどんどんと溢れ出す。その一粒一粒を優しく、丁寧に裕二が掬い取るものだから、私はただ貴方の顔を見つめていた。
「…何でそこに結びつくかな。」
「え?」
そして涙を拭いたその手で私の頬を撫でる。
「俺が、嫌いに鳴ると思った?」
「…だって…」
怒ったんだもん。
いや、って言ったら怒ったんだもん。
しゅん、となる私。
「なぁ、梨華。」
「…怒ったじゃん」
は?っと言った顔で私を見下げる。その顔には疑問の色が浮かび上がっていた。
みんな同じだと思った。
都合が悪くなれば捨てられる。
簡単に、捨てられる。
「お風呂、嫌って言ったら怒った。」
聞こえるのかな、ってくらい小さな声で私は自分の気持ちを裕二に伝える。
布団に寝転がったまま、
裕二は私の髪をクルクルと回しながら言葉に耳を傾ける。
…私って面倒くさい女。
お腹のあたりにかかっていたブランケットを頭までもってくる。
これで、
顔を見られなくてすむ。
「…怒ってねぇよ」
「嘘。」