オベロンの赤い花
オベロンの赤い花
昔々、まだ精霊と人間が互いをいがみ合っていた時代。
ここは、唯一精霊と人間が約束事をしながらも仲良く暮らす国ルケゾニア王国。
　
パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ・・・・・・
　
今、一台の馬車と４人の兵士達が森の協会に向かっていました。
　
その馬車の中にはそれはそれは美しいお姫様がおったそうです。
　
彼女の名前はペセディア。
　
彼女が４歳になった日、ペセディアは王族ならば誰もが受けなければならない神託の儀式をしに森の修道院へと向かっていたのです。
　
馬車の中で王は言います。
　
「いいかい。ペセディア。寂しいだろうけどお前は一年間。この修道院で暮らさないといけないんだよ。」
　
ペセディアは目に涙をためてとても不安そうです。
　
「どうしてもしないと駄目なの？」
　
王様は娘にやさしそうに語りかけます。
　
「ペセディア？」
　
王妃様もとても心配そうでした。
　
何も答えようとしないペセディアに王様も王妃様も困った顔して見つめあいました。
　
すると、何を思ったのか王妃様はこんなことを言いました。
　
「ペセディア、寂しくなったら森の泉に行きなさい。そこからはお城が見えるのよ。それに素敵なことも起こるんだから。」
　
と。
　
「素敵なことって何？」
　
ペセディアは何があるのだろうなと思いました。
　
パカラッ…パカラッ…ヒヒーン。
　
馬車が止まりました。
　
教会に着くと一人の老婆が王達を迎えます。
　
彼女は修道長のマクアリーナです。
　
王様と王妃様は修道長に挨拶をするとペセディアのそばを離れて行ってしまいました。
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