続・俺様王子の初恋
目の前に来たゴンドラに
乗り込み、俺と葵は
向かい合って座った。
景色に目を奪われている葵を
見ながら、俺の中で、ゆっくり
意思が固まっていくのを感じた。
「 ・・・・・葵 」
「 先輩!今まであそこに居たんですよ! 」
「 なぁ、葵 」
「 すごい高いですね! 」
忙しなく体を動かす葵の目に
ジワジワと涙が滲んできているのに
気付いたけど、”泣け”とも
”泣くな”とも言わない。