続・俺様王子の初恋
先輩がどういう風に
私に触れるかも、
笑い方も、声も。
全部全部、覚えてる。
「 ・・・・苦しいよね・・・ごめんね・・ 」
頬を伝う涙を拭う手。
”なんで先輩はいないの?”
口から零れた問いかけは
私が一番聞きたいことだった。
「 前に、あたし達の親の話を
少しだけしたと思うんだけど
・・・・覚えてる? 」
「 ・・・・退学、とか・・ですか? 」
首を傾げた私を見て、
小さく笑った美夏さんが
”そうよ”と私の頭を
再度撫でて、向かい側の
イスに腰を下ろした。