続・俺様王子の初恋
言い辛そうな美夏の表情。
目に浮かんだ涙に”悪戯”の
意味が嫌でも理解させられる。
「 その後から、学校に行けなくなって
葵ちゃんはわざと遠い高校を
受験して、髪を黒色に染めて、
人を引き付けないように
地味に・・・・ 」
美夏の話を聞いたのは
やっぱり間違いだった。
「 待ちなさい!! 」
「 お前が行けっつったんだろ 」
部屋を飛び出した俺を追いかけてきた
美夏にそれだけ言うと、俺は家を出て
葵の家に足を向けた。
「 ・・・・・ッはぁ 」
自然と足が速く動いて、
気付けば走り出していた。