先輩と後輩の恋愛事情



それから先輩を外で待たせてると言うことで、私は紀田くんと教室で別れてから急いで先輩が待っている校門に向かった。











「…はぁ、はぁ…。
先輩!」




「実梨!」



「遅くなってすいません…」




「いや、構わないけど…。
何かあったの?」



「うん…。
けどそれは帰りながら話しますね」



「あ、うん…」




私はニッコリと笑って見せて、歩き出した。




「…一体何があったの?」



隣を歩く先輩が聞く。




「えっとですね…」



私は紀田くんに告白されたこと、ちゃんと先輩に言っといた方がいいと思った。


きっと先輩はこんな話を聞くのは嫌だと思うけど、私のケジメとして。



だから…。




「あの…私…。
紀田くんに告白されました」



「え…?」




精一杯の勇気を振り絞って伝えると、先輩は足を止めた。




「先輩…?」



ちょっと先に進んでしまった私は振り返る。




先輩は驚いた顔をした後、悲しそうな顔をした。



「実梨は…?
実梨は何て答えた?」



「私は…」



まるで涙を我慢してるかのように唇をキュッとする先輩を見て、私は先輩に近づいた。



そして…優しく抱きしめた。




「昨日も言ったじゃないですか。
私は先輩が好きです。
大好きです」



「…ホント?」



少し体を離し、先輩の顔を上目ずかいでみて微笑んでみせた。



「私、ウソはつきませんよ?」




「…そっか。
ありがとう、実梨」




ギュッと抱きしめられる。



先輩の暖かい体温が気持ちよかった。









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