先輩と後輩の恋愛事情



「せせせ、先輩!
私そろそろ帰りますね!
お邪魔しました〜!」




「あっ、待って!」





恥ずかしくてすぐにでも逃げたい私の手を先輩が掴んだ。




「暗い道を一人で帰るなんて危ないよ!
ちゃんと送ってくから!」




「えぇ!?
そんな、迷惑はかけれませんよ!」




「…何言ってんの?
だって実梨ちゃんは彼女でしょ?」




「かっ…!?」




彼女!!?





た、確かに付き合うことになったけど…。




なんだか先輩がから聞くとかなり生々しく聞こえ…じゃない!



恥ずかしくなる。




「だから送る
いいよね?」




微笑んで私の顔を覗きこむ。




「は、はい…」




私は断ることができなかった。









「暗いね〜」




「そうですね…」




季節もゆっくりと秋になりつつ夜の外は少し肌寒かった。




「……っ!」




ビュゥ〜!と風が吹いて冷たい空気に包まれる。



今日の夜は結構寒いな〜…。




もうちょっと着てくるべきだったかな…?




無意識に腕を手ですりすりとさする。




すると上からフワッと上着をかけられた。




「え、先輩!?」




「寒いでしょ
これ着てていいよ」




「先輩寒くないんですか!?」




「うん、俺は大丈夫だから」




先輩は笑顔で答え、制服だけになってしまった。




ホントにいいのかな…。




と思いながら私は一応上着に腕を通してみた。




さすが先輩のだ。




上着がブカブカ…。




「ごめん、でっかくて…」



「い、いえ!
貸して貰えるだけでうれしいです!」




「…そう?」




「はい!」




力一杯返事をすると、先輩は満足そうな笑みで笑う。





私の心臓はドクドクと波うっていた。







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