強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「こうしたい時に、邪魔になるからね」

僅か数センチ離れただけの距離で、勝ち誇ったその笑みを見せると百合香は赤い顔で、やられた。と思わされるのだった。


「もうっ!」
「さて、さっき通ってきたとこで軽く昼とって戻ろうか」


話を逸らすように柳瀬が言うと百合香は視線を落とし、膨れっ面で後ろをついて歩く。
ふと視線をあげると、柳瀬の左手が後ろに伸びて掌を見せていた。
百合香は少しの距離を駆けて詰めるとその左手に右手を重ねて並んで歩いた。


数十メートルの並木道を歩く。



「来年は桜が散る前にこよう」


柳瀬が木々を見てそう言ってくれるのが、当たり前のように柳瀬の未来に自分がいると言われたようで泣きそうになるくらい目頭が熱くなった。

それを誤魔化すように下を見て、お腹空いたな。と呟いた。




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