強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「百合香と離れたくないから」


唐突な言葉。
あまりに突然過ぎて、どうしてそんなことを言うのかわからない。
そしてそんな風に言われたら、嬉しいのと同時にやはり不安になってしまう。

何も言わない百合香を見てまた柳瀬は続ける。

「同じ部署でそういう関係になったら大抵異動対象になる。フロアが変わるくらいならまだいいけど、うちは本社に人事部やら営業やらあるから…」

説明を聞いてやっと理解した。そして口をついて出た言葉は子どものような感想。

「いやだ…」

百合香は懇願するような顔で柳瀬の袖口を掴んで言った。


「俺もだよ。だけどそれとは別にいつかお互い異動はあるわけだから」
「····」
「悪かった。こんな話。でも俺達がダメになる訳じゃないんだから」


優しく子どもを宥めるように抱き締められて、頭を撫でられる。

(本当どこまでも私は子どもだな。)

そう思うと百合香は柳瀬から距離を取り、ごめんなさい。と謝って笑顔を作り直した。


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