強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「あれ、阿部さんは?」
「なんで知ってる?」
「あ…いや。さっきばったり会ったんで」

坂谷はあれから更にお酒を飲んでいるため、うっかり美雪と会ったことを話してしまった。


「まあ、別にいいけど。明日から頼むぞ」
「はい!神野さんもいるんで大丈夫っす。柳瀬さんも色々頑張ってください~…」
「色々?」
「色々は色々っすよ」


坂谷は酔いながら笑ってそういうと友人のいる方へ一歩踏み出した。
そしてピタッと一瞬止まると、柳瀬に振り向いて宣言した。

「オレ、明日から頑張ります!」

端から見れば、急に何を…という発言だが、坂谷は百合香との仲の進展という大きな目標を掲げていて、酔った勢いで柳瀬に宣誓したのだった。

「純~!」

出口で友人に呼ばれた坂谷はふらふらとした足取りで挨拶をして出ていった。

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