強引な次期社長の熱烈プロポーズ


「ここが近辺で一番の老舗ですよ、来たことありませんか?」
「ああ、覚えてます」
「では30分後位にここで」

佇まいは老舗ならではの雰囲気が醸し出されてる。中に入ってもそれは同じでそれこそ今風のスタイリッシュな店内ではないが、味があって落ち着く。
自分がもう30にもなるからそう感じるのか…

そんなことを感じながらゆっくりと店内を歩く。

「いらっしゃいませー」

奥の方から声が聞こえた。
決して広くはないが、中にはびっしりと壁が見えないくらい文具や雑貨が取り揃えられている。

柳瀬は副店長の目でそれらをチェックして歩くとやはり立ち止まってしまうのは高級筆記具のショーケースの前。


いつかの百合香と出掛けた時を思い出す。
彼女は食い入るようにショーケースを眺めて、店員に声を掛けられて慌てていた。
元々本当にこういうものが好きなんだろう。そしてきっと何か“出会い”を感じるものを探しているんだと思う。

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