強引な次期社長の熱烈プロポーズ
キキィッ

ホテルの前にタクシーが止まる。
美雪が先に降りると続いて柳瀬も地面に足をつけた。

ホテルを今回手配を任せていた為にまるで下調べをしていなかったが、ここは郊外のホテルらしい。
周りは緑で囲まれていて街灯がぽつりぽつりとあるだけで。ホテルの光だけが一層明るく感じるところに佇んでいる。
もっとも、緑は今は深夜なのでよくわからないが、朝になれば絶景なのだろう。秋には紅葉狩りも出来そうな雰囲気だ。

ホテルのロビーに入ると、とても綺麗な内装に、笑顔の素敵なスタッフ達。

ビジネスホテルとはかけ離れているようなホテルだったが、手配した美雪は女性だからそんなものかと、柳瀬は思いながら美雪に着いて行く。


エレベーターの前で立って待っていると、美雪が流暢に話し始めた。

「ここは広島でも人気のあるホテルのようで」
「ああ。そんな感じがしますね」
「ちょっと不便な立地なのですけど1階にコンビニも入ってますし、問題ないかと。朝食も付いていますから」
「そうですか」

そんな話の間にエレベーターが、ポーンと音を鳴らしてランプが点滅した。


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