強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「や、柳瀬さん」
「なに」
「あ…あの」

残業させてください。って言いたいだけなのに、柳瀬の瞳がずっと百合香を捕えて離さないからうまく言葉が出せない。

すると先に柳瀬が百合香の言いたいことを汲み取り溜め息混じりに言った。

「はぁ。いいよ。帰って。」

百合香はその溜め息と、帰っていいと言われたことに悔しさを感じて、強く手を握りしめた。
そして、初めて百合香が柳瀬に向かって反抗する。


「いやです。私が残って終わらせます。」


そんな言葉が百合香の口から出たなんて…と、目を丸くしている柳瀬に続けて言葉を放った。

「ああいう作業嫌いじゃないですから。それに途中で放り投げるのいやなんです。」

自分でも驚いた。こんな風に気持ちをはっきり言える自分自身に。
そんな百合香に柳瀬は、わかったよ。と残業の許可をするのであった。



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