強引な次期社長の熱烈プロポーズ

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「…終わったぁ！」

百合香はあの後一人でひたすら数を数えて在庫表を完成させて、両手を上にあげ伸びをした。
時計を見るといつもの帰社時刻より２時間程遅い１０時半を指している。

屈んだ体を伸ばすように立ち、倉庫の電気を消して戸締りをする。
そしてエレベーターで５階に向かった。


５階について事務所に入るとぽつりと電気がついていた。
電気のついている下のデスクを確認すると、柳瀬がパソコンに向かっていた。


「お…お疲れ様…です」


百合香はまさか柳瀬がまだ社内に残っているとは思いもしなかったので内心かなり驚いていた。

「ああ、お疲れ様。」

そういって柳瀬は席を立つと百合香の元へ近づいてきた。
百合香は動かずに柳瀬の行方を見ているだけ。
百合香の目の前で柳瀬は立ち止ると、静かに笑った。

「助かったよ。送っていく。」

百合香はその笑顔も言葉も信じられなくて、瞬きをした。