強引な次期社長の熱烈プロポーズ

「え？」


黒い石の建物の看板は高級そうな光を放ちながら“exele”《エクセル》という文字が掲げてある。

百合香がその店構えを見て驚き、足を止めていると、柳瀬が腰に手をまわして前へと進んだ。


「いらっしゃいませ」


自動ドアをくぐると黒いスーツを着てしっかりとまとめられた髪の大人の女性が美しいお辞儀をして2人を迎え入れてくれた。


百合香はびっくりしすぎて未だに声を出せずにただ視線を色々と動かすだけ。


百合香達の働く店とは違う目の前のショーケースはライトが眩しく照らされていて、何かに反射してキラキラとしている。


「どうぞ」


その女性の店員に案内されて奥のテーブルへと案内された。