強引な次期社長の熱烈プロポーズ

7.明かされる想い

柳瀬が丸めていた上体を起こして片手をデスクへと伸ばした。


「百合香は喜寿のお祖母さんの為に万年筆を買って行った」
「え…」


5年前…
大学生…喜寿…
確かに。私、お祖母ちゃんの喜寿のお祝いにバイト代充てて万年筆を買った。


「あれは確か今くらいの時期だったかな」


百合香に構わず独り言のように柳瀬は語り続けた。


「予算に合う、理想の一本を懸命に探す百合香は今と同じように真剣に万年筆と向き合ってた」


待って…待って待って。

私、思い出して!
あの時、確かに今私がいる弐國堂で買い物をした。
店員さんは男の人だった気はする。
だけど、まさかそれが····


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