強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「今日の予定は?」

柳瀬が百合香に問う。

「…予定、なくなりました」

百合香は綾に対しての不満を滲ませてそう答えた。

窓の外は道路に光が反射していてきらきらしてる。
こんな、休日想像もしていなかった。本心は、緊張してるけどそのドキドキが嬉しくも感じるのだから不思議だ。

「お待たせいたしました」

そこに先程頼んだ柳瀬と同じコーヒーが運ばれてきた。
今朝、面倒で淹れなかったコーヒー。
まさか、こうして今日の1杯目を柳瀬と向かい合って飲むなんて誰が想像できただろうか。


「おいしい」
「ここはいい雰囲気だな」


そういって柳瀬もまた、コーヒーを口に含む。

プライベートの柳瀬。
店では絶対に見られない姿。

百合香はまた黙ってただコーヒーを口に運ぶしかできないでいた。

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