強引な次期社長の熱烈プロポーズ
「かっ書いてみても、いいですか」
「どうぞ?」
百合香に子どものように目を輝かせて聞かれたものだから、つい柳瀬はそれが可笑しくて笑いながら答えた。
(あ、なんかすごく滑らかな持ち味とインクの滑り。)
百合香はその場にあったノートに自分の名前を書いてみた。インクは柳瀬には珍しく、ブラック。
「なんか…人のもの、だからですかね。すごくいい感じです」
「職場でも自宅でも可愛がってるからな」
「なんか、子どもみたいに言うんですね」
その言葉で、柳瀬が百合香に顔を向けて、
「さっきの神野さんの方が、子どもみたいな目をして可愛かったけどね」
と言うと、百合香はまた至近距離にいたことを思い出して一歩横に移動し、目を伏せた。
「普段は滅多に貸さないんだけど、あまりに可愛い反応するから」
「あ…」
万年筆は基本的には人に貸さない。
それぞれの持ち方や、書き癖などがペンの先に現れるから。一度でも人に貸してしまうと、書き味が変わったと感じる人もいるだろう。
そんなにこだわりがないから。と言うとそれで済む話だが、それでも、『普段は貸さない』と柳瀬が言うペンを自分に差し出してくれたことが嬉しかった。
「どうぞ?」
百合香に子どものように目を輝かせて聞かれたものだから、つい柳瀬はそれが可笑しくて笑いながら答えた。
(あ、なんかすごく滑らかな持ち味とインクの滑り。)
百合香はその場にあったノートに自分の名前を書いてみた。インクは柳瀬には珍しく、ブラック。
「なんか…人のもの、だからですかね。すごくいい感じです」
「職場でも自宅でも可愛がってるからな」
「なんか、子どもみたいに言うんですね」
その言葉で、柳瀬が百合香に顔を向けて、
「さっきの神野さんの方が、子どもみたいな目をして可愛かったけどね」
と言うと、百合香はまた至近距離にいたことを思い出して一歩横に移動し、目を伏せた。
「普段は滅多に貸さないんだけど、あまりに可愛い反応するから」
「あ…」
万年筆は基本的には人に貸さない。
それぞれの持ち方や、書き癖などがペンの先に現れるから。一度でも人に貸してしまうと、書き味が変わったと感じる人もいるだろう。
そんなにこだわりがないから。と言うとそれで済む話だが、それでも、『普段は貸さない』と柳瀬が言うペンを自分に差し出してくれたことが嬉しかった。