特上男子
部活している生徒がまだ疎らにいるなか、私たちは並んで校門へと向かった。


さっきまでボーッとしとったのが嘘みたいに遥と笑いながら話をしよるライト。


凛子はそんなライトを心配そうな顔で見つめていた。


急にライトが足を止め私たちは振り返った。



『里奈……』



へっ?


ライトの見つめる先には他校の制服を着た女の人が立っていた。


猫目で鋭い顔つきは、可愛いと言うよりも綺麗な人だと思った。



「ごめん……来ちゃった……」

『1人で来たの?お付きの人たちは?』



お付きの人って何!?


里奈さんと呼ばれる女性は真っ直ぐとライトだけを見ている。



「1人だよ」

『1人で出歩くなんて危ない事しちゃ駄目だ。今頃おじさんも組の人も心配してるよ』

「私がいなくなったら……ライト君も心配してくれる?」



組って何!?


さっきから意味分からん事だらけ。


ってかこの重苦しい雰囲気をとりあえずどうにかしたい。







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