特上男子
智輝さんに謝れんまま数日が過ぎた。


あの日はセリさんが家に電話してくれとったおかげで、親に怒られずに済んだ。


智輝さん元気にしとるんかなぁー……。


会いたい。


そしてまず謝りたい。


真弓さんとは仕事で顔合わせたりするんかな?


プライベートでも会ったりしよるんかもしれん。



『もうこんな時間じゃん。帰ろうぜ』



遥に言われ時計を見ると、もう5時半を過ぎていて外が少しだけ暗くなっとった。



「放課後残ってお喋りしたの久しぶりやね」

「そうだね。たまにはいいよね、こういうのも」

「ライトは最近忙しそうやけど、今日は予定なかったん?」

『…………』



またやん……。


ボーッとしとるライトはスタスタ歩きながら上の空。


私たちは3人揃って首を傾げた。


最近のライトはたまにこうしてボーッとしとる事が増えた。


何かあったん?って聞いても笑って何もないよと言うライト。


そう言われるとなんか寂しいなって思ってしまう。







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