特上男子
ライトは肩にかけとった鞄を床に置くと、ソファーに寝とる女性に近付き腰を屈めた。



『こんなところでそんな格好で寝てたら風邪引くよ』

「んー……ライ、ト?」

『そうだよ、ただいま』

「お帰りー」



女性は上半身を起こすと、フニャッと顔を綻ばせライトの首に腕を回して抱きついた。


その女性を見て私は息を飲んだ。


私だけじゃない。


凛子と遥も驚いた顔をしている。



『セリ寝惚けてるの?』

「分かんない……眠い……」

『でも起きないと夜眠れなくなっちゃうよ?』

「今何時ー?」

『もうすぐで五時半だよ』



ライトの言葉にセリさんはバッと体を離し、慌てた様子で飛び起きた。


走ってリビングにあるドアの一つを開け、部屋の中に向かって叫んだ。



「ごめん寝坊したッッ!!五時過ぎてるッッ!!」






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