特上男子
セリさんに促され、私たちはソファーに腰掛けた。



「お茶とジュースどっちがいい?」

「買ってきたので大丈夫です」

「そうなの?そんな気を使わなくて良かったのに」



珍しく凛子が緊張しとる。


遥も大人しいし。


美人の威力って凄かぁー……。



『今日セリは行かないの?』

「行かないよ。面倒くさいから智輝に押し付けた」



セリさんの口から“智輝”って言葉を聞くと胸がチクッとする。


後ろから足音が聞こえて振り返った。


ンギャッッッ!!


腰にタオルを巻き髪の毛を濡らした智輝がリビングに入ってきた。


鼻血出そうやぁー。


てか早っ!!



『いらっしゃい、ライトの友達?』

『うんっ。今日家でテスト勉強するんだ』



……いらっしゃい?


まさか智輝とセリさん同居中?


親公認の仲!?


頭の中にミシッて音がしたような気がする……。


私が砕け散るのも時間の問題やないの……。






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