特上男子
車が止まり、私は勢いよくドアを開けた。


外に飛び出すと大きな海が広がっとって、人もうようよ動いとる。



「やっばぁぁぁいっ!!今年初海ぃぃぃっっ!!」



海に向かって私は大きな一歩を踏み出した。


がっ!!



「ぐへっ」

「先に挨拶でしょ」

「あい……」



笑顔の凛子に首根っこを掴まれている私は素直に体を方向転換させた。


なっ……!!


海に気を取られ過ぎとって全然気付かんやったけど……。



「何じゃこの立派な家はッッ!!」

『あっ、ここが家の別荘だよ。車があるからセリたちもう中にいると思う』



笑顔でさらっと別荘げな言うてから!!


様になっとるやないのっ。


最初からライトの家の別荘に泊まりでお邪魔する予定やったけど、まさかこんなに大きくて立派な別荘やったとは……。


開いた口が塞がりません。






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