特上男子
「私はライトのところに行ってるね」

「え!?り、ん……」



凛子を呼び止めようと振り向いたけど、私の声は自然と小さくなっていった。



『これでラスト』

「あ、ありがとうございます」



智輝さんから線香花火を受け取り、みんなのところに行こうとしたけど行けんやった。


だってみんな男女二人組になって線香花火を楽しみよるんやもん。


遊馬さん、結さんカップルのところにはお邪魔虫が紛れ込んどるけどね。



『みんな始めちゃったし、俺らもやんない?』

「はいっ」



1つのライターの火に寄り添う様に線香花火を近付けた。


風と戦いながら儚く綺麗な火花を散らす線香花火。



「せっかくだから勝負しませんか?」

『いいよ。じゃあ負けたら勝った方の言うことを1つきくってのは?勿論出来る範囲でね』

「私絶対負けませんからっ」

『俺も負けねぇよ』



私にとっては負けられない大勝負。


恋の神様、どうか……どうか私に力を貸してくださぁぁぁいっ!!





< 92 / 124 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop