年上の彼氏。
†突然の訪問者†

「ここ曲がりますか?」


「はい、右に」


宮下先生はあたしに道順を聞きながら運転していた。
一方、あたしは答えつつも、心臓はバクバクしていた。

あたしは何故か助手席に乗ってた。

なんか、異様に緊張する…
あたしは手に変な汗をかいていた。


「あ!着いたんじゃないですか?」


宮下先生は会社の裏口。つまりは、最上階専用のエレベーターホールの前に車を停めた。


「ありがとうございました!」


あたしは車から降りて先生に深々とお辞儀をした。

先生は運転席の窓を開けて

「じゃあ、気をつけて」


笑顔で宮下先生は車を発進させた。

あたしは見えなくなるまで見送った。

すると、誰もいないはずの後ろから声をかけられた。

「ふーん。もう、新しい男作ったんだ?」


あたしは驚いて、素早く後ろを振り返った。

そこにいたのは…


「そ…うた…っ!」


そこにいたのは、怪しい笑みを浮かべた蒼大だった…
あたしの足は固まったように動かない。

逃げたい気持ちでいっぱいなのに、体は言うことを聞いてくれなかった。


「なぁ、そんな怖がんなって。あの事は確かに俺も悪かったよ」


一歩ずつ近づいてくる蒼大に対し、あたしはただ立ちすくむままだった…


「でも、俺を怒らせたお前も悪いと思うんだよ。」


蒼大は何を言ってるんだろう…

この期に及んであたしのせいにするの…?

あたしは口を開けなかったけど、蒼大に不信感が芽生えた。


「だから…また、やり直そう?」


そう言った蒼大はあたしの肩を急に掴んだ。


「…やめっ…!」


あたしは必死に抵抗する。
だけど、やっぱり力では敵わなくて…

あたしは蒼大が見てない隙に携帯を取り出し、素早く宮下先生の番号にかけた。

発信音が鳴ってるとき、蒼大がそれに気づいてしまった!


「何やってんだよ!!」


怒りの表情であたしの頬を叩いた。

あたしはあまりの痛さで携帯を落としてしまった…


助けて…!


宮下先生………………っ


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