年上の彼氏。


あたしはあまりにも先生が慌ててたからびっくりした。

少し切っただけだし、血もそんなに出ていない。

どちらかというと、先生に触られてる手が気になってしまう。


「あの…本当に大丈夫ですよ?」


あたしは手当てをしてくれてる先生に言った。

先生はその言葉に顔を上げ、まだ心配そうにあたしに言った。


「本当ですか…?」


「はい。先生が手当てをしてくれたおかげで痛みもほとんどありませんから」


ニコッと笑みを浮かべると、先生は安心したように肩をおろした。


「そうですか…」


「料理あともう少しでできるので…」


そう言ってあたしはまた立ち上がってキッチンに立った。


「怪我してるのに大丈夫ですか?」


まだ不安そうな目で見る先生にあたしはニコッと微笑んで


「全然大丈夫です!」


と、ガッツポーズをした。

「んじゃあ、俺ここで見ているので」


そう言った先生。

あたしは見られながらの調理に緊張してたけど、なんとか完成した。


「出来ました!」


今日のメニューは魚料理や煮物など、和食を中心としたものだった。

あたしはリビングの方に料理を運んだ。

その間に先生はお箸を選んでいた。

そして、2人で席に向かい合わせで座った。


「「いただきます」」


手を合わせて2人で挨拶をしてからまず、先生が料理を一通り見た。

あたしはとてつもなく緊張しながら先生の様子をうかがっていた。



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