契約の婚約者
「あ、あ、ふぁ……あ、いやぁ……」


思考とは裏腹に、沙希の口から漏れる甘い喘ぎは、片桐の欲情を誘っているようにしか聞えない。


指を蜜口に挿れられる前に沙希は最後の抵抗を試みるが、それも次の片桐の言葉で摘まれてしまう。



「沙希----」



ひどく優しく名前を呼ばれる。


何故そんな声で名前を呼ぶのだろう、そんな風に呼ばないで欲しい。



目があった、と思った瞬間、彼は優しく笑う。





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