契約の婚約者
絶え間なく吸い付かれていた唇がやっと解放されたかと思うと、片桐の頭が沙希の下肢へと降りていく。脚を開かされ、その間に顔を埋めたようとしたとき、沙希ははっとして腰を引く。


「やだっ……それはヤメ……テ……」


一瞬片桐の動作が止まったが、沙希を見上げ、視線が合うとフッと意味深な笑いを残し、その行為の先を続けた。


ヤダヤダと沙希は逃げようとするが、力の差で片桐に勝てるはずもなく、その舌は沙希の官能の蕾を必要に攻める。


花芯を断続的に吸われ、背中に電流が走ったように沙希は仰け反る。下腹部が蕩けるような快感に脳が痺れてしまう。


沙希はこの『舐められる』という行為が大嫌いだった。別に潔癖症なわけではない。なされるがままに快感を与えられる行為が嫌なのだ。


特に片桐の場合は、わけがわからなくなり、腰と脚に力が入らなくなるまでそれが続けられる。指の挿入が加わったときには、意識を手放してしまうこともよくあった。



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