契約の婚約者
「俺とセックスしていて考え事をするなんていい度胸だ……」


腰を打ちつけながら、呼吸も乱さずそんなことを言う。


もう何を言われても、反論する思考能力も気力もなくなるくらい、一気に攻め立てられる。


ものの数分で、沙希は中を収縮させ、また昇りつめてしまった。


こんな感覚は初めてだ。身体から力が抜けきって指すら動かすことも出来ないのに、片桐に名前を呼ばれるだけで、身体の中がすぐに熱くなり、片桐のモノを締め付けてしまう。


「煽るなよ……」


片桐の顔が切なく歪む。そんな顔もするんだ、と思った瞬間、また胸がぎゅっと鷲掴みにされたみたいになった。



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